赤米

玄米の色が赤褐色で果皮、種皮の部分に赤色系色素（タンニン系）を含んだ米です。

五分づき（少し精米）にすると薄紅色になり、糠（ぬか）をすべて取り除くと白米になります。

米粒の形にはジャポニカ種とインディカ種（長粒）があり、日本ではジャポニカ種の粳（うるち）が多くみられます。

野生稲の大部分が赤米であることから赤米は米のルーツであり、赤飯の起源と考えられています。

栄養成分は現代の白米とくらべタンパク質や各種のビタミン、ミネラルが多く含まれています。

縄文時代、日本に初めて伝わった米はジャポニカの赤米だったと考えられています。

邪馬台国や大和朝廷への献上米も赤米が主だったといわれています。

奈良時代の「尾張国正税帳」には、赤米を酒の料として皇室へ納めたとあります。

「枕草子」には、「男の片手に甚だ赤き稲の・・・」とあります。

鎌倉時代には、大唐米、大唐法師と呼ばれる赤米が中国から渡来し広く栽培されました。

江戸の井原西鶴の書物にも「赤米」は、数多く登場します。

薩摩藩では田圃の５０％も赤米が作られていました。

明治にはいると、赤米は雑草と考えられ、国を挙げて赤米駆除運動が始まります。

岡山県総社の国司神社、対馬の多久頭魂神社、種子島の宝満神社は遠い昔から現在まで連綿と赤米を守り続けてきました。

赤米は昭和３０年代まで全国各地で作られていたようです。

ー資料提供　いわき市相馬屋ー