黒米

玄米の色が黒色で果皮、種皮の部分に紫黒色系色素(アントシアン系)を含んだコメです。

五分づき(少し精米)にするとコメが紫色になるため、紫米とか紫黒米ともいわれます。

糠(ぬか)をすべて取り除くと白米に近い色になります。

米粒の形は、ジャポニカ種(短粒)とインディカ種(長粒)があり世界的には後者が多くほとんど糯(もち)です。

黒米は、おはぎの起源で古くから祝いの米として珍重されてきたという説もあります。

中国では明の時代、李時珍の「本草綱目」に黒米は滋養強壮に優れ造血作用があると記されています。  

薬膳料理にも古くから使われていることから薬米の別名もあります。

また、不老長寿の米として中国歴代の皇帝に献上されたことから貢珍米として喜ばれていたようです。

栄養成分は現代の白米と比べ、タンパク質、ビタミンB1.B2.ナイアシン、ビタミンE、鉄、カルシウム、マグネシウムなどが豊富に含まれています。

そのため民間の言い伝えでは、黒米を食べ続けると髪は黒くなり若返るといわれています。

中国を始め、アジアの各地で黒米は現在も広く栽培され、大切に食べられています。

ー資料提供 いわき市相馬屋ー

2017/12/末日 毎日新聞
古代米で認知症予防
食べやすくし市販目指す
                新潟薬科大学
新潟薬科大学(新潟市)の大坪研一教授(66)=食品化学=が越後製菓(新潟県長岡市)と共同で、認知症の予防効果が期待できる米を開発した。
来年2月にも臨床試験に入る。科学的な効果が確認されれば、米としては認知症予防に向けた初めての「機能性表示食品」として市販化を目指す。
認知症は、たんぱく質「アミロイドβ(ベータ)」(Aβ)が、加齢とともに脳内に蓄積することで発症するとされる。
大坪教授は、古代米の一つ「黒米」のぬかにA β形成酵素の働きがあることを発見。
予防米の研究は2014年、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一つに選ばれ、ぬかを残した「黒米」に「超硬質米」をブレンドして、
パック詰めにした。
認知症は糖尿病患者が併発しやすいとされ、糖尿病の予防に良いとして超硬質米も混ぜた。
新潟大脳研究所(新潟市)などの共同動物実験で、一定の効果を確認した。
ただ黒米は独特の渋みがあり、超硬質米は通常の炊飯方法では固くて食べられないため、米の加工ノウハウが豊富な越後製菓に協力を依頼。高圧処理することで、白米並みの柔らかさとうまみを出すことに成功した。
味は雑穀入りご飯と変わらず、レンジでパックごと温めればそのまま食べられる。生産体制が整えば、通常のパックご飯と大差ない価格で提供できるという。
厚生労働省によると国内の認知症患者数は462万人(12年)。 、 

世界保健機関によると世界中で推計5000万人おり、30年には8200万人に増える可能性がある。
大坪教授は「世界人口の半分は米が主食。医療的な付加価値をつけられれば、高いといわれる国産米輸出の道も開ける」としている。
SIPの農業分野研究を監修する北海道大農学研究院の野口伸教授(農業情報工学)は「日本の農業の根幹である米を使った機能性食品は非常に意味がある」と期待する。